
皇太子フェリペ・プロスペロが鈴を身につけているのにはどんな理由があるのでしょう?
(拡大図)
ディエゴ・ベラスケス《皇太子フェリペ・プロスペロ》
1659年 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
①迷子にならないため
②悪霊祓いのため
③音楽好きのため
正解は……………2番、、、、と1番です!
「血族結婚くり返しの弊害により、フェリペ四世の子どもたちは次々早世し、この時点で男児はフェリペ・プロスペロひとりしか残っていなかった。やはり生まれたときから病弱で、幾度も発作を起こしては死に瀕したので、そのたび宮廷中が一喜一憂した。」
「なんとしても生き延びさせねばと、国内外から名医が招聘された。医者ばかりではない、祈祷師やら占い師たちもおおぜい集められた。王子のウエストの赤い紐に、悪霊祓いの鈴や伝染病除けのハーブ入れなどがぶら下がっているのは、そういうわけなのだ。」
中野京子著『怖い絵3』(朝日出版社)より
→→ 『怖い絵3』はこちらから
また、どこにいるか居場所がすぐにわかるように、という理由もあったようです。
マルガリータ・テレサとフェリペ・プロスペロの並んだポスターが都内地下鉄、私鉄で掲出中です。
ふたりはスペインを治めたフェリペ4世とマリアナの間に生まれた6歳差の姉弟で、描かれているのは5歳の頃のマルガリータと2歳のフェリペです。
マルガリータは幼い頃からウィーンにいるレオポルトと婚約しており、16歳の時に結婚しましたが血族結婚の繰り返しのため、生まれた4人のうち3人は1歳に満たずに死亡してしまいます。また本人も次女の出産後に体調を崩し、21歳の若さでこの世を去りました…。
フェリペは幼い頃から病弱でした。これも血族結婚の繰り返しの末に生まれた子であったためです。その病弱な身体を悪霊から守るために鈴をつけていたのでした。しかし、その甲斐もなく、この絵が描かれた2年後に夭折します。